エバートン戦術観察日記

プレミアリーグに所属するエバートンを戦術的に分析するブログです!

CLファイナリストとの差 その2

前回の続き
開幕直前に昨シーズンのエバートンについて振り返ろうぜ!という意図はなく、気づいたら本日19/20 の開幕戦でした。今更なのですが、ビルドアップ、プレッシング部分だけ振り返ろうと思います。
前の記事を読んで期待していた人いましたら申し訳ありません...(おらんかったかもしれんけど!)
 

ビルドアップ

まずはエバートンの今シーズンのビルドアップについて振り返ります。
もちろん、ビルドアップ自体相手のプレス戦術に合わせて行なっているため、
ここで書くのはこういう傾向にあったというものです。
便宜上、以下の4つの期間に区切って説明します。

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区切り

 

第1期

開幕からゴメスが出場するまでの期間。
以前からのエバートンと同じようにサイドの攻撃が中心になっていました。
ビルドアップも時間をかけず縦に早くという場面が多かったと思います。
プレッシングがメインでロングボールもよく使っていました。
 

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第1期の攻撃
 
 
 

第2期

ゴメスが出場してから17日間の休みまで。
この時期はゴメスにボールが集まってファーストサードからミドルサードへの持ち上がりがスムーズに行われるようになっていたと思います。
攻撃はゴメスを入れて工夫しようとしているのは感じましたが、第1期と変わらずサイドが中心でした。また基本的な狙いもSB裏ついてクロスとあまり変化を感じませんでした。
あとゴメスが溜めを作っていたのですが、持ちすぎ&低い位置で奪われてショートカウンター喰らうということもありました。ゴメスを使った低い位置からの組み立てに固執していた感じがありました。
 

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第3期

第1期に似た形。 ビルドアップも時間をかけず縦に早く。
メンバーとしてはゴメスの怪我もあって中盤はシュナイデルランとゲイエ。
第1期の形を極めたような感じ強豪相手には高い位置からのプレスでショートカウンターがメインでショートカウンターからは良い形が作れていました。また、第2期で問題になった引かれた相手に対しての攻め手がないという部分には、第1期の時のようにシンプルにサイドから攻めることで悪い奪われ方をする場面は減ったと思います。
 

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第4期

第3期にまとめても良かったが、来季に向けて中央からの崩しを色々試しているみたいだったので第4期として分けました。
37節のバーンリー戦とかは、ビルドアップ時は右SHのリシャリソンとOHシグルズソンがポジションチェンジして442でビルドアップする場面もありました。
そして最終節のトッテナム戦は可変でSBのズマが⇨右CBとしてビルドアップ、CHが攻撃に参加する場面が見られたました。可変システムが好きな私としては
このようなシステムを試したことで来期がとても楽しみに感じました。

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第4期の攻撃

トッテナムとの差

昨シーズンの最終節をみて、やはりビルドアップが大きな違いになっていると感じました。プレッシングの強度はエバートントッテナムであまり変わらないと思います。(やはりバリエーションはトテナムの方がある)

トッテナムのビルドアップでエバートンと差を感じたことは以下です。

  • バリエーション
    サイド、中央と局面に応じて様々なルートでライン間にパスを渡されていました。ルーカスがCHが付きにくいポジションに降りてきたり、シソコがSBの位置に降りたりと、相手の嫌なところをついて守備側を後手に回らせるのがうまいと感じました。
    エバートンは主にサイドでした。
  • 属人性の低さ
    人の動きでスペースを作り、そこにCF、OH、SHが降りてきたりと
    人に依存したビルドアップがあまりなかったと感じました。もちろんエリクセンのうまさやシソコの強さを生かした部分もありましたが、ビルドアップが人に依存していないところがフォーメーション、人が変わっても1シーズン戦えるところかなと思いました。(終盤に調子落としてましたが)

プレッシング

エバートンはボール非保持時は4-4-2になります。
よくあるパターンとして相手が4-4-2の場合と4-3-3の場合について記載しようと思います。

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4-3-3

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4-4-2

プレッシングは、昨シーズンを通して結構安定していたので今シーズンは
そこまで大きな変化はないかなと思っています。
ですが問題自体は、3つあると思います。

  • シグルズソンの守備力に依存している部分が大きい
    シグルズソンがかなり献身的に守備をするので相手もビルドアップで手こずることが多いです。守備面で変えが効かない一方、攻撃時はフィニッシュに絡む機会は多いがビルドアップにはあまり貢献しないこともあり(第4期はよかった)引いた相手には苦戦すること多かったです。
  • ズマの代役
    安定感のあったズマの代役が必要です。
  • ゴメスの守備力
    攻撃力のあるゴメスを使っていってほしいと思うのですが、シュナイデルランと比べて守備力が低いところです。具体的にはゴメスは足が早くないので守備時にはファウルで止める場面が多いです。昨年はプレッシングがエバートンの生命線になっていたので後半シュナイデルランが主に使われていましたが、今年はビルドアップからの攻撃にも期待しているのでゴメスには頑張ってほしいです!

最後に

今シーズンもマッチレビュしていくのでよろしくお願いします!
本日クリスタルパレスとの開幕戦でマッカーシーがでるかもしれませんが、
マッカーシークリスタルパレスで活躍してくれることを祈っています!泣

マッカーシーエバートンで活躍していた時期は、少ない補強金でうまくやりくりして上位に食い込むチームという感じでしたが、最近は(今シーズンは特に)お金をかけて補強してビッグ6を狙うという感じになりましたね。こういう形でチームが強くなると前から応援してた私としてはちょっと寂しいですが、エバートンがビッグ6に食い込むようなチームになって勝ち星が増え、嬉しい日が増えるのもいいですね!